「ふぅ……こんくらいでいいだろ。」
美樹先輩が立ち止り、ふぅ…と息を吐いて、空を仰いだ。
太陽が俺らを照りつけていた。
「__100mに出場する選手は……」
俺らを呼ぶアナウンスが聞こえた。
…いよいよだ。
いよいよ……始まる。
「なんだよ、瞬、緊張してるのか?」
隣で汗をぬぐっていたシマが、俺をからかうような口調でいってくる。
「……ちげぇよ。」
緊張なんてしない。
緊張というよりは……。
「わくわくする。……すっげぇ……走りてえー!」
俺はにかっと笑ってシマの方を見る。
すると、シマは少しだけ驚いた顔をした。
だけど、すぐに笑顔になって、さすがうちのエースっ!なんて言って来る。



