そして、ひたすら自分に大丈夫だって言い聞かせた。
だけど…だけど…それでもだめだった。
そんなことしているうちに、澪が事故に会ってしまって、改めて、走ることのできるありがたみを実感した。
澪が事故に会ってから俺は変わったと思う。
拓夢と啓太の墓参りに初めて行き、2人の両親にも会ってきた。
最初は責められると思った。
責められる覚悟でいった。
だけど、優しく接してくれて、「瞬君は悪くないよ」と言ってくれた。
心の荷が軽くなり、その分部活に打ち込む日々。
仲間と切磋琢磨しながら過ごす日々は温かくて気持ちよかった。
追川にいた時とは大違いだった。
受験勉強なんかしなかった俺は、追川しか入るところがなくなり、親にも勧められ仕方なく入った。
だけど、陸部に出向く気にもなれず、そのまま時間だけが過ぎて行った。
それで、もういいと思った。
俺が走らなくて困るやつはいない。
俺が走ったら、後ろ指を指す奴がいる。
ならば俺は迷わず走らない。



