そこへちょうど、電車がやってきて、あたしたちは乗り込んだ。
電車の中で、あかね先輩と紗名は何やら楽しそうに会話をしていたけど、内容はあたしの耳には入ってこなかった。
どんな転校生なんだろう。
カッコいいのかな?
でもやっぱりいい筋肉しているんだろうな。
どんどんあたしの中で理想のスプリンター像が完成していく。
家についても、夕食を食べながらあたしは上の空で、お母さんの質問も、空返事していた。
ベッドに入ってもなかなか眠れず、ずっと天井とにらめっこをしていた。
なんで、ここまであたしがワクワクしているかは自分でもよくわからない。
ただ何となく何かが変わりそうな予感はした。
あたしは予言者者じゃないし、不確かなことに変わりはないけれど、あたしはその転校生に確かに期待を寄せていた。
鷲松が変わる予感がした。
あたし自身も、何かが変わる予感がした。
この予感が、正しければいい……。
正しくあってほしいって思ってる。
明日がとても待ち遠しかった。



