今日は、澪にただ会いに来ただけじゃない。
あることを、伝えに来た。
「なあ、澪。」
「ん?」
「明後日、外出ること出来るか?」
「うん。車いすだから、あんまり遠くには行けないけど……なんで?」
「明後日に、鷲松競技場で新人大会があるんだ。お前に、見に来てほしい」
俺が風になるところを……と言おうとしたけど、やめた。
自分の目で確かめてほしい。
俺が風なのか……風にはまだなりきれていないのか……。
そして、これは一つの大きな賭け。
ヒントは…あの日におじさんがくれた。
1週間前だったと思う。
いつものように、澪の見舞いを終えて帰ろうとしたとき、おじさんとばったり出会った。
その時、おじさんは、にっこりと笑って、少し話したいことがあるって言って、談話室で俺らは腰を下ろした。



