……もしかしたら……あるかも……。
あたしの顔が自然にほころんだ。
もし、転校生があの、あたしの恋した風だったら……。
もし、鷲松の陸上部に入って走ってくれたら……。
もし、あの走りをまた感じられたら……。
そう考えると自然と胸が踊った。
「あ、澪!今日の彩羅先輩の忠告忘れるなよ。」
あかね先輩があたしの考えていることがわかったのかグサッと釘を刺した。
彩羅先輩の言葉……。
__『……なんらかの理由があるんだろう。お前らも、そこんところ気をつけろよ』
何らかの理由……。
それはよくわかんないけど……。
なんだかワクワクしてきた。
どっちにしたって、あの追川から来るのだから、風になれる可能性のある選手。
このあたしがほっとくわけがない。
「あー、あかね先輩。もう、澪はなに言っても聞きませんよ。まだ見ぬ転校生を無理矢理にでも走らせる気満々のようですから。」
はぁ……という、紗名とあかね先輩のため息が聞こえた。



