ふと、俺の口元が緩んだ。
「じゃあ、瞬は知ってるんだよね。自分の作り出す風のこと。走るって……どんな感じなのかな。
前のあたしは、その感覚知ってたんだよね。」
そういった、澪はとても悲しげで、今にも崩れてしまうんじゃないかと思った。
「……諦めるのか?」
「え?」
澪のまっすぐな目が俺の目と重なる。
「お前は、医者からもう動かないって聞いて、諦めるのか?」
___『あいつの辞書にきっと”諦める”って文字はないんじゃないかって思うんだ。』
シマが言ったあの言葉が本当なら…
澪、今のお前もそうだろう?



