On Your Marks…~君と共に~




「……さっき、澪の担当の先生にCTでスキャンした澪の脳や、足のレントゲンや、いろいろ見せてもらったよ。


はっきり言って…厳しいな。」




そういった、おじさんの顔にはもうあの無邪気な笑顔はなかった。


1人の父親としての顔がそこにはあった。








「でもな、厳しいって言ったって、未来には何があるかはわからないんだ。医療は日々進化し続けている。この国の医療なんて、世界でもトップを争ってるくらいだ。


だからな、希望は捨てちゃいけない。患者はもちろんだが、支える俺らが捨てちゃいけないんだ。
お前らには、澪を支える覚悟があるのか?


澪は、お前らのことは何一つ覚えちゃいない。楽しかった思い出も、悲しかった思い出も、悔しかった思い出も、何一つだ。


お前らは、その苦しみに耐えることができるのか?その悔しさを乗り越えることができるのか?



支えるって言うのは……そういうことなんだ。」




そういって、まっすぐと俺らのことを見てくるおじさんの顔は、とても真剣で、心にスッと入ってきた。




__『人を支えるってことは、支えられる奴よりも強くなければいけないんだ。』



俺の頭で、おじさんの言葉が繰り返される。