「紗子(サエコ)。いいんじゃないか?この子たちの思うがままに、澪と会わせてやってもいいんじゃないか?」
ふと、俺らの後ろから男の人の声が聞こえた。
「……あなた…」
おばさんが顔をゆっくりとあげ、その声の主を見る。
俺らも振り返り、声の主を探した。
「陸上部の皆だな?いつも澪をありがとな。」
そういって子供のように笑う男性。
少し顎らへんに髭が生えていて、片手には缶コーヒー。
雰囲気が……澪と似ていた。
あいつも笑うとき、無邪気に笑って、ただでさえ子供っぽいのに、笑うともっと子供っぽくなる。
「お、おじさんっ!な、なんで?
アメリカにいたんじゃ……」
紗名がものすごい勢いで立ち上がり、目を真ん丸に開いて、その男性に駆け寄った。
「お、紗名!大きくなったな?澪とどっちがでかいんだ?」
場の空気が読めないのか、楽天家なのか……そういって、いまだに無邪気に笑う続ける男性。
……この人だれ……



