そう言い切ったおばさん顔は涙目になっていた。 本当に辛そうな顔をしていた。 澪の記憶を取り戻してはいけない… 沈黙が走る。 誰一人として、口を開くものはいない。 きっと、皆考えていることは同じ。 "澪のあの走る姿をもう見ることは出来ない。" "毒舌な澪はもうどこにもいない。" "誰よりも陸上を愛した、陸上バカは…もういない。" 俺の…好きになったあの澪は… もう…いないのか… もう、会うことは出来ないのか…