__『右下半身の麻痺と、記憶喪失の恐れがあります』
その言葉が消えないんだ。
__『……だ……れ_』
澪の声が頭の中で、何度も何度も繰り返される。
「お前さ……もし、澪が医者が言ったように記憶なくして、走れなくなったらどうする?」
シマが突然歩きながら俺に話しかけてくる。
そんなこと考えたくもない。
だけど、さっきから頭に浮かぶのはそんな最悪のことばかり。
でも、その時俺は……
「そんときは……わかんね……。想像できねえし」
だけど、これだけは分る。
俺、きっとそん時は逃げ出したくなるだろうな。
だってな……
”あなた誰?”
そういわれるのがとても怖いんだ。
とてつもなく…恐ろしいんだ。
お前の中から俺が消えてしまったって、実感させられてしまうから…
「お前、何か大事なこと忘れてねぇか?
そうなったとしても、あいつは…澪は生きてるんだ。
確かに生きているんだ。
これは絶対なんだ。これは確かなんだ。
それだけで…いいんじゃないのか?」
澪は……生きている……。
俺は、はっとした。



