「瞬はさ…走ってるとき何考えてるの?」
「俺は…未来…かな。」
「未来?」
「あと、0.何秒後にあそこを通過している俺をいつもイメージして走ってる。」
そういった瞬の横顔は、凛々しくて、前を向いていた。
確かに未来を彼は見つめていた。
「そっか…」
「お前は?あんな長い間何考えてるんだよ。」
「あたし…?あたしは…
前の選手抜かそうとかも考えるけど…やっぱり
仲間のこと。
あたし、前も言ったでしょ?
1人じゃあんな長い距離心おれちゃうけど、仲間がいれば苦しい一歩でも踏み出せるって。」
そうやって、あたしは茜色の空を仰いだ。