「そんなこと言うなら、あたし先帰るよ。」




「お前道分らないくせに、偉そうに言うな。」




「じゃ、早く着替えて来いっ!」




瞬の顔にはもう、笑顔が戻っていて、小さく、バーカって言いながら、更衣室に入って行った。




あたしが言った言葉、嘘じゃないよ。



本当にかっこよかった。



風になれたのはほんの一瞬で、あたしの求める風ではなかったけど、やっぱりかっこよかった。




あたしは、競技場の出口の柱によしかかって空を見上げた。




もう既に、青から茜色へと表情を変えようとしている。




もう、1日が終わろうとしている。