怖い。


私の脳は直感的にそう思った。

神山 茉莉ちゃんの、容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、性格もいい、という超完璧美少女という情報が頭の中でバラバラと崩れる。

そこにいるのは、紛れもなく神山 茉莉ちゃん。

なのに、それを否定するかのように頭がガンガンとする。

神山茉莉は、いい子だよ

_____違う。

何言ってんのさ、まぁ、そういう風に解釈したとしてもアンタじゃ神山茉莉にはかてないよ。

_____わかってる。

じゃあおとなしく神山茉莉に渡せばいいのに。

_____な、にを?

くくっ、分かってるくせに。


「ねぇ」

ほぅら、神山茉莉が来てるよ。
どうするの?おとなしく引き下がる?それとも張り合うの?

アンタじゃ無理って何回も言ってるよね。

「河上さん さぁ」


こんな完璧美少女にかなうわけないって。

水城くんだって、アンタよりも神山茉莉のほうがいいと思ってるよ。