「つきましたね」
「あぁ」
あぁ、と返事した俺を恨みたい、もっといい返事の仕方はなかったのか……。予定の時間まで1時間近くあるが店内で時間を潰すことにした。
店に入り軽く店内を見渡すと既にリーダーのブラックがいた
一人で席にいることを考えて1人で来たのであろう、ここでこうやってたってても事が進まないので若葉に”とりあえず行こうか”と声をかけた
席に着くとやっとブラックが気がついて
「ん、あぁもう来たのか。6時まであと1時間もあるぞ」
と言われたので
「早く来た方が遅刻することはありませんので」
と言い返す。
「あぁ……そうだ。一応聞くが今日は何発撃った?」
「1発です」
「そうか、理由は言えるか?」
「昼休みに何者かにライフルで狙われていたので、」
理由を述べたらブラックは”ふむ、そうか……”といって黙ってしまった
暫くしたら店員が水を持ってきてテーブルに置いて厨房へ戻った、
「弾だ、今日撃った分。1発だ」
とブラックは胸元の黒いケース取り出し、その中から弾を取り出して渡してた
「確かに1発、受け取りました」
渡された弾を一端テーブルに置きガンホルダーからワルサーPPKを取り出しマガジンを抜く、マガジンを縦に持ちテーブルに軽く叩きつけ渡された1発をマガジンに込める。
「本当にお前は手際がいいよな」
「そんなことないです、子供の頃からモデルガンとか扱ってましたからこういう動作になれてるだけです」
銃本体のスライドを引き中に入ってる弾を取り出しマガジンに込める
マガジンを持ち直し、銃にマガジンを差し込んでスライドを引く
「だから手際がいいんだ」
「そうですかね」
「約9秒……」
9秒か……遅いのか早いのか分からないがきっと遅いのだろう
「やぁブラック! ……ってなんでブラッドとホワイトがいるの!?」
「うるさいやかましい。授業が終わってすぐに来たからな」
「ふーん。あ、すいませーんホットのコスタリカ2つお願いします!」
グレーもぶれないな、
「あ、聞かないで注文しちゃったけどブラッドもコーヒー飲むら?」
「あぁ、飲むさ」
コーヒーが机に置かれてから暫くしてブラックが口を開いた
「今日は急に招集をかけてすまない、今日の昼。12時頃にゴーストから『響の身柄を拘束する動きがある、響の護衛についてくれ』と連絡が来た」
「本当ですか……俺危ない……」
カップに口をつけてコーヒーを啜るとブラックが”大丈夫だ、私が護衛に当たる安心しろ”と言った
「大丈夫ですよ、それぐらいで怯えてるならこんな事やっていませんし。こういう仕事をしてたらこんな事よくあるでしょうに」
むしろいままでこの仕事をやってきて始めて人質系の内容が出てきて安心した、もっともターゲットは俺だけど
「大丈夫ですか? 先輩?」
「大丈夫だ。捕まりそうになったら殺せばいいさ、国公認の殺し屋の名前を使って」
「はぁ……お前はホントそれだけだな。無力化とかっていう手は考えないのか?」
「だってブラックさん、俺が無力化しようとするとみんないつの間にか死んでるんですよ」
みんながため息をついてグレーが何か言おうと口を開いた瞬間、店の外から耳をつんざくような破裂音が聞こえた。
グレーが
「銃声?」
と。ブラックは
「銃声だな、怒鳴り声も聞こえる」
続けて俺は
「最近この喫茶店周辺で暴力団同士が領土(シマ)取り合うためにはりつめあってるらしいですよ。武器はあります?」
もう一回みんなはため息を吐いた。店の外は怒鳴り声と銃声で溢れかえっている。
「アタッシュケースの中にある。ただしP90だがな」
「それで十分です、弾薬は?」
「お前らが持ってる拳銃の弾は渡してある弾数分だけだ、P90もアタッシュケースの中にあるだけだ、補給はない」
指定された武器で指定された弾数分の縛り戦闘、
「響、店員を奥へ。私たちは先に行く」
「Sir,yes,sir」