｢木村くん!!｣



友達の輪のなかにいた木村くんはこちらに気がついて立ち止まった。

まわりの友達はにやにやしながら｢先にいってるぞー」と言って去っていった｡





｢あ、さっきの…｣


｢はい!わたし市川千夏っていいます!よろしくお願いします!!｣



木村くんは一瞬｢何を?｣という顔をしたが、わたしは気づかないフリをした｡


我ながら今日は積極的だな〜と思う。





これも占いの力かな?





｢こ、このタオル、よかったら使って下さい!!!それじゃあ!｣


わたしは爽やかにその場を立ち去った。



タオルならまた木村くんが返してくれるはずだからまた関わることができる!!


そう思ってこの作戦をしかけた｡




木村くんがいるほうをチラッと見ると、受け取ったタオルに少し戸惑っていたが、それをどうにかするわけでもなくまた友達の輪のなかに戻っていった｡