わたしはそのまま「ちょっと教室行ってくるね」と咲に言ってから教室に向かった。


ドッジボールの後に木村くんにタオルを渡そうと思って。



タオルをとって運動場に戻ると、ドッジボールもだいぶ展開していて咲はまた内野へ戻って戦っていた。




木村くんを探すと、木村くんはまだ外野にいるようだ。眠そうに欠伸をしている。


わたしはそんな木村くんの姿にもキュンとしてしまった…。






ピピ―――――――



試合終了の笛が鳴った。どうやらうちのクラスが勝ったみたいだ。めずらしく内野に咲が残っている。




先生が内野の数を数えて「10―14で9組の勝利ですね。はい、あいさーつ。ありがとうございました〜」


「「ありがとうございました〜!」」


みんなぞろぞろと教室に向かっていく。

(木村くんどこ?!?)



わたしが必死で探していると、咲が「お疲れ〜!!」と言いながら抱きつこうとしていた。

でもその瞬間木村くんを見つけたため、わたしは咲をうまくよけて木村くんのもとまで走っていった。