美しすぎる魔女の誘惑のキス

言い終わった私を皆が軽蔑の目で見る。

コソコソと何かを言い合う人たちも居た。

白鳥桃華を見つめて今度は私がそっと微笑む。

どう？これが私。

目を見開いて驚きを隠せない様子の白鳥桃華に満足しながら席に座る。

高校入学1日目。

世界は二つの物に別れてる。

好きなものと嫌いなもの。その人にとって1度好きと認識されたものはよほどのことがない限り嫌いなものにはならない。
逆に1度嫌いと認識されたものはよほどのことがない限り好きなものにはならない。

どうやら私は嫌いなものと認識されてしまったらしい。

特に女の子の世界ではこれが強いから嫌いなもののボロを見つけて潰そうとする。

「夜神月さん？ ちょっとついてきてくれない？」

入学から何日か経ったある日の放課後。

だいぶグループができてきて、雰囲気の良いクラスになってきた。

派手めのグループの中心はゴージャスに巻き髪をした姫木真理亜。

持ってるものも高そうな物ばかり、ちょっとした資産家の娘だとか。プライドが高く、自尊心が強い。そうなってもおかしくない美貌の持ち主。

「夜神月さん。 あたし達のグループに入れてあげてもよくてよ？」

このクラスでは自分が1番だと思ってる自信に満ち溢れた瞳、私の答えが肯定だと聞く前からわかってる根拠のない自信。

「夜神月さん、1人みたいだし、仲良くなりたいなーって。 どう？」

このグループの2番手、高めのツインのぱっちり二重立花愛梨。

口では姫木に勝てないと言ってるけれど、内心自分が性格も顔も1番だと思ってる。

姫木のキツめな言い方にさりげなくフォローを入れて自分の性格のよさをアピール。 姫木を引き立て役にしてクラスのアイドル的立ち位置を確保しようとしている。