ハァハァ...

も~う!これじゃあ絶対遅刻だああああ!!

あ!!みなさんこんにちは!!

ご紹介がおくれました。

私、逢沢ゆり、今日から憧れの高校生デビューなのです。

えーと、見た目はごくごく普通。

自分で言うのもあれだけど、何もかもが普通。

勉強も。運動も。普通なのです...。

あ!でも1つだけ誰にも負けないのが、記憶力!

幼少時代の思い出とかほとんど覚えてるもん。

よく中学生の時は、馬鹿とかドジとか

言われてたけど、高校生からは生まれ変わるんだから!!

そして今日はドキドキの入学式なの。

ああ...。もう無理だ...。

初日からして遅刻だ...。

そう諦めていると、後ろから勢いよく走ってきた自転車。

その自転車は数メートル少し前で止まった。


なななな、なにっ!!!??


「お前、急いでるんだろ?、その制服は青南高の奴だな。」


なになになに。誰!?!この人...!!

身長185センチはありそうな身長に、

黒髪でスタイルがいい。なにより...爽やかすぎる...。


「は...はぁ...」

「俺も今日から青南高の1年!!逢沢竜太!乗れよ、後ろ!!」


へ..?後ろ...?

え...ていうか同級生!? 見えなさすぎる!。


「早く乗れよ!!遅刻するぞ!!」

「は...はい!」

言われるままに後ろに乗った私。

ああ。なんて強引な人なの...なんて思いながら...。


「よし!超速攻で急ぐ!あぶねーから掴まってろよ!!」


ちょっと赤面になりながらも、彼のお腹に手をまわした。

風の抵抗なんて、気にもしないような速さで、

少し滴る汗をかいている彼は、やはり、爽やかだった。