昔懐かしいレジの鳴き声と、例の女性がりおんを労う――。
画面が歪み、現金の入った封筒が、「異空間」から出現する――。
「ありがとうございます――」
恭しく封筒をりおんは受け取る――。
自らの、「労働」としての対価――封を切り、仄かに漂う新札、新硬貨が絡み合った匂い――。
「初給料で何を買う――」
「今、そんな下世話な事言わないでよ――」
封筒を胸元に引き寄せ、りおんは厳粛さと優しさを融合させた想いを、ステッキさんへ降り注いだ――。
「んで、どうしてついて来るの――」
肩がけの通学鞄の中に、縮小サイズで隠れているステッキさんを少し怪訝に見下ろし、言った――。
「それは、りおんの中学生としての初登校だしな――初めては、いいものだ――」
僅かにファスナーを開けた隙間から、ステッキさんが小声で返す――。
「何か、意味あり風に見えて、いまいち説得力に欠ける答えだなぁ――っていうか、制服に着替える時、またわたしの裸覗き見してたよね――」
「いやらしいのは、わかっている――性分だ――」
「全くぅ――」



