適当魔法少女・りおん


「私は、りおん――――何処にでもいる、普通の家庭で、普通の生活を営む、普通の主婦で、普通の女――――」


「ごく普通の家庭に生まれ、ささやかな恋に胸焦がし、数少ない恋愛を経て結婚――息子と娘を授かり、小さいながらも家を建て、家族四人でいつまでも幸せが続くと確信さえしていた、賑やかで慎ましい私の家庭――」




「いつの頃から、歯車が狂い始めたのか――夫は仕事に、子供達はそれぞれの世界に没頭し、私も掃除、洗濯、食事の支度、そして僅かでも苦しい家計の足しにと始めたパートに追われる日々に、幸せという城は少しずつ解体されてゆく――」



「解体された綻びを、必死で埋めようと私は身も心も家族に捧げた――パートのシフトを増やし、より家計を助け、家事も疎かにせず夫や子供達に愛情を注いだ――」




「それが、私の身勝手で自己満足の振る舞いに映ったのだろうか――仕事で遅くなるから、食事はいらない――先に寝てろ――いつの頃からか夫は私の全てを受け入れなくなった――」



「部活動で忙しい――バイト始めるから――息子も娘も、次第に私の愛情を拒み、私の家庭は各々の私欲によって分解された――」