甘美と狂気の匂い――道徳と不道徳――相反する要素が、万華鏡の様に形を、煌めきを、魂を変化させ、桃迦たらしめている――。
「だいたい結婚なんてまだしたくなかったのよ――それが、デキちゃったから仕方なく一緒になって――アンタも少しは心を入れ替えて真面目に働くと思ってたのに――こんな事になるなら、あいつらを堕ろして、結婚するんじゃなかったわ――」
「何て事言うんだ、この人でなしがっ――」
女の頬を男は張った――。
「この偽善者っ――アンタだって、あいつらに無関心だったじゃない――面倒な事全部こっちに押しつけて、ふざけるんじゃないわよ――」
「何だと――」
「何よっ――」
大人にあるまじき小競り合いが「演じ」られる――。
「穢らわしい――」
汚い言葉の塊を、桃迦は体内から吐き出す――。
「どうしようもない人間の、救いようのない末路――全く楽しいわ――さぁ、もっと狂い、踊り、堕ち、私を楽しませなさい――」
恍惚な桃迦が、煽る――。
「テメぇ、この生意気なガキがあっ――」
男が桃迦に襲いかかる――。
「シュッ――」



