あたしの好きな人





「稜、…りょうっ!」




リビングに向かっていた足が止まった。




「あたしのこと…嫌いになった?もう好きって言ってくれないの?」




あぁ、なんでかな。


もっと言いたいことあるのに、こんな時なんで涙って出るのかな。




「は?意味わかんね…」




意味、わかんないよね


そうだよね…


ちゃんと、ちゃんと言葉にして…!





「あたしは、稜が好きなのっ!好きなの!…ねえ、稜はあたしのこと嫌いになったの?」



…なんとか、言ってよ…




「1ヶ月であたしを落とすって言ったじゃん!あたし、稜に落とされたよ!」




ほら、今、稜のこと好きだもん




「…稜……。なんで、何も言わないの?」




あ、ダメだ…



涙が止まらない。