◇◇◇◇◇
「ひっ…く……ふ…ぇ…」
涙を拭いながら歩くあたしを、みんなは不思議そうに見る。
さすがにやっぱり恥ずかしくて、校舎を裏から出てフェンスに寄りかかった。
目、会ったよね。
稜?
さっきあたしを見たよね?
ねぇ、なんで?
何も言わないの?
波奈って言って抱きついてよ。
波奈ちゃんって言っていじめてよ。
あたし、何かしたのかなぁ?
そしたら謝るから。あたしが悪いなら、ちゃんと直すから。
他の女の子と楽しそうに笑わないでよ。
あたしと過ごしてた時間を
あたし以外の子と過ごさないでよ。
前にここで、あたしの涙を止めてくれたみたいにさ
今すぐここに来てよ。
もう、本当に終わったの?
あたしに関わってきたのは、たまの気まぐれだった?
あたしのこと、好きなんじゃないの?
稜。

