あたしの好きな人





気づかなかった。桃夜に言われるまで。





「あ、…なんか、ごめん」



桃夜の目の前で、稜のこと好きとか言っちゃった。



「うん、まあ多少グサッてきたけどさ。その分頑張れよ。何があっかたかしらねーけど」

「…ごめんね、桃夜」

「ごめんねよりもありがとうがいい」




ちょっと挑発するような目であたしを見た。


上から目線。


だけど、やっぱり感謝してるよ。




「ありがとう」




そう言うと、ちょっと照れたのか


桃夜は食べ終わったお皿を片付けに行った。