「なんであたしが稜のこと…」
「いやいや、お前それはねーぞ。…なんつーか、まじバカ?」
「ちょっと!バカじゃないんだけど!」
「ってそうじゃなくて…」
あ〜っ、と言って頭を抱えた桃夜。
「1ヶ月くらいお前を好きでいさせろとか言ったけど、お前には笑っててほしんだよ」
「え?」
「だからっ、たった1週間関わらないだけでそんな悲しそうにして。お前の気持ちはなんだって言ってんの」
「…気持ち?」
「一緒にいたいとか会いたいとか話したいとか、そういうのって好きだから生まれんじゃねーの?」
好きだから?
あたしが、稜を。
「好き…稜のこと」
「…………」
「……あたし、稜が好き」
「まあ、おう。分かればいんじゃねーの」
あたし、いつの間に稜を好きになってたんだろう?

