「はぁ〜…」
「何だよ朝から盛大なため息つくなよ」
「残念ながら、あたし今薪原に構ってやる時間なくてさ」
「…うぜぇ」
あたしの頭の中は、稜でいっぱいだ。
なんで?
あたしいつの間にこんなカマチョになったの。
別に稜が冷めててもどうってことないはずなのに。
「そう言えば、1ヶ月宣言終わりまであとどんくらい?」
「……たしか2週間かな?」
12月13日が終わる日だった。
……あたし何できっかり覚えてんだろ。
「……ふーん」
「え、千枝ちゃんなに!」
「別に?私はもう見守るだけだし?」
「何かよくわからないけど放置的!」
やだ!放置プレーはやだよ千枝ちゃん!
…やっぱりあたしカマチョだわ!
いつもの稜なら、教室までついてきて
そしたらあたしを離さなくて。
テストがあろうとなんだろうと、あたしにくっついてばっかりだったのに。
…いや、でもまあそんな考えることではないか。
今日はたまたまだよ。
「はい、席つけー」
だけど、朝のホームルームが始まっても
稜が頭から離れなかった。

