あたしの好きな人




◇◇◇◇◇




土曜日___




「わぁー!すごい」

「楽しそー」



千枝ちゃんと稜と桃夜を連れて、お兄ちゃんの学校の文化祭に来た。


入口の門から装飾がすごくて感動してしまう。



稜と桃夜は何故か一言も話してないけど。


そういえば、二人ってなにか接点あったかな?

結斗にしとけばよかったかも…



「さ、入ろ入ろ!」



文化祭くらい楽しまなくちゃ!


まずはお兄ちゃんの教室にでもお邪魔しようかなー?



「波奈……お前が誰かを怪我させたらその人可哀想だから手ぇ繋いでやる。」

「まって桃夜、早口過ぎて聞こえない」



さりげ悪口言われた気もしたけど。



「なーに馬鹿みたいなこと言ってんの?ね、波奈ちゃん」

「え、いや、ん?」

「いこっか、波奈」





そう言って、稜はあたしの手を引いて人混みをグングン進んでいく。


いくってどこに!?


てか歩くの早い!




「ちょっと……、二人と離れちゃうじゃん!」

「いいじゃん、二人で楽しもうぜ」

「はぁっ!?」




なんで!