あたしの好きな人



「なんか、すげーよな」



ふと、そんなことを言い出した。



「最初は見るだけだったのが、メアド交換して、話して、一緒に帰れるくらいになるなんて。…俺幸せだわ」

「………ふふっ」

「なんでそこ笑うんだよ」

「だって……なんか、あたしまで嬉しくなっちゃうし。それにね、結斗はもっと幸せになりなさい!」

「なんだそれ」



綺希先輩をゲットして、今なんかと比べ物にならないくらい幸せになってよ。


結斗ならそんなのへっちゃらでしょ?



「よかった」

「え?」

「波奈、少し元気になった」




え…?



「波奈が暗いと、俺だって暗くなる。何かあったならちゃんと言えよ?」 

「…………。うん、ありがと」



ずっと


結斗を見てきて、



今までのあたしなら、今の言葉でより結斗に惹かれてた。


だけど、結斗からしたら違うんだ。



親友として、あたしを心配してくれていて、あたしが思っていたのじゃなかったんだ…


ずっと。