あたしの好きな人





「あいつもどっかいったし、やっと二人で踊りを満喫出来るな」

「………あたしそんなつもりない」

「は、踊んねーとか無いからな」

「踊るけど!満喫はしないから!」




そこ、重要。




「波奈は本当照れ屋だな〜」

「は!?どの流れでそうなった!?」

「はいはい、照れんなって」

「照れてない!」




そして、さっきまで桃夜が握っていた手を次は稜が握った。



踊りに合わせて上手に手を引かれ、その度に心臓がドクッと音を立てる。


たまにバランスを崩して稜の体に触れると、またドクッとなる。



稜がチャラ男じゃなくて、しっかりとした男の人なんだって意識させられる。







………な、なんだこれ…


 



「波奈、さっきなんであいつと踊ってたの?」





……なんだこれ……




全身の血がドクドクいってる。





「…波奈?」






なんだこれ…




なんだこれ!!






「波奈!」

「ぎゃっ!?」





び、びっくりした…