それから体育祭は順調に進んでいった。
「あっ、結斗だ」
席について応援していたら、グラウンドでは指名の競技をしている結斗がいた。
紙を持ったまま少し悩んでいるようにも見えた。
すると結斗はある方向に走っていった。
「誰を指名するんだろうね、望月」
「んー……」
千枝ちゃんも結斗の様子を見ていたみたいで、結斗が誰を指名するかじっと見る。
その先には、綺希先輩がいた。
綺希先輩は結斗に指名されて、少し驚いたような表情を見せたけど、
ニッコリ笑って結斗と一緒にゴールまで駆け出した。
「なんのお題だったんだろ」
「んー……相手が綺希先輩だしね」
“綺麗な人”とか“優しい人”とか…
そういる感じのお題だったんだろうな。
「久々の綺希先輩。やっぱ綺麗だわ」
「私もあんな風になれたら人生変わってんのに」
いや、千枝ちゃん…
あなた凄く美人なんだけど…?

