「せんせー……あれ、いなくね」
保健室のドアを開けてやっとあたしをおろす。
……ってあれ、もう立てるじゃん。
てか保健室に来た意味なかった。
「あの…桃夜〜」
「あ？」
「あたし、本当に大丈夫でして…実はちょっと…腰が抜けてただけで…」
「………はぁっ！？」
だ、だからあれだけおろしてって言ったのに…
「ふざけんなよ〜…はぁー。なんで腰なんか抜けんだよ」
「そんなのあたしの腰に聞いてよ…」
「バーカかお前は！ったく。…まぁ、良かったわ」
「へ？」
「や、別に良かねーけど！……。あぁもう、先に行ってる。お前も早くこねーと競技始まんぞ」
……照れたのか？
もうちょっと素直になってくれても、いーのになぁー
なんて。あたし意地悪。
「今行くよ」
保健室のドアを閉めて桃夜の後を追った。
