あたしの好きな人




「波奈……?」

「えっ…桃夜!?」



うそ、今この状況なんだけど…。

立てないんだけど…!




「なんでそんなとこ座ってんの?」

「いやっ、えと…きゅ、休憩?ちょっと足が疲れちゃって…」

「それだけでそんなところに?」

「ゔ…うん…」




見過ごしてー……


なんか勘付いても見過ごしてー…




「誰かに何かされた?」

「いや、別に…」

「女子か…?」

「………」

「男子か…?」

「………」

「男子なのかよ…何?大丈夫か?」




……桃夜、心配してるの? 


からかってるのかと思ったけど、本当はそうなのかな。



「大丈夫。本当に疲れただけだから」

「嘘つけ。保健室まで運んでやるから、ほら乗れよ」

「……は?」

「さっさと乗れって」



桃夜があたしの前でしゃがんで、おんぶを待っている体制。




「いや、でも…」




腰が抜けただけなんて言えないし…

なんて言えば…