「これだから波奈は大変なんだよな」
「なに…あたしが悪いみたいな!」
「じゃあ受け取ってよ…」
「はっ!?」
ドンっと稜が顔を近づけて…
「俺の…愛を。」
いくらあたしでもこれにはドキッとして、顔が赤くなってるのは見なくてもわかる。
「な、な…」
まるで餌をほしがる鯉のよう。
稜はあたしの心臓をいつか止めてしまうのではないかというくらい、ドキドキさせるのが上手い。
「そうやって、俺で満たされときゃいーんだよ」
「りょ、稜っ…」
「ま、今は我慢しとくよ」
あたしの唇を指でなぞりながらそう言って、稜はグラウンドの方に戻っていった。
へなへな…と足に力が入らなくなる。
「もう…稜のせいだ。稜のバカァ」
腰が抜けたなんて……
恥ずかしすぎて言えないよ。

