「何だよ。騒がしいな…。
テラ。仕事をヤれ。
お前さん達は何しに来た?」
この家の主であろう。
この人…見たことある。
僕はすぐ行動に出た。
「こんばんは。伯爵殿。
この奴隷…テラの主でいらっしゃいますか?」
主人は少し胸をりながら僕に言った。
「あぁ。その通りだ。
何か文句でもあるのか?」
「いえ、テラを僕に譲っては貰えないでしょうか。」
僕は交渉を始めた。
すると主人は
「は?
ふざけるのも対外にしろよ?
何者かも分からねぇ坊主に譲れるかよ。
金も持ってなさそうだしな。」
鼻であしらう。
こうなったら奥の手だ。
「僕はラオ・シャルル。国王の息子です。
お金ならあります。100万出させて頂きます。
……これで問題は解決致しましたか?」
こういう時僕の身分は有利だと思う。
主人は青ざめる。
当たり前だろう。
王位継承者になるかも知れない僕にものすごい言葉遣いをしたのだから。
まぁ、僕は怒ってもないけどね。
「し、失礼致しました!
100万でお譲り致します。
申し訳ございませんでした。」
主人は深々と頭を下げる。
「いえいえ。それでは取引成立ということで。
100万はうちの者に後で届けさせます。」
アリスもカノンも何かを悟ったのか途中で口を挟む事はなかった。



