「アリス様!お会いできて嬉しゅうございます。

私は、奴隷を売るのをやめさせたいのですが、どうすれば良いでしょうか?」

「お初お目にかかります。アリス・ベルトンと申します。

カノン陛下でよろしいのかしら?」

こんな丁寧な挨拶をするアリスは初めて見た。綺麗だな。

喋らなければ国中の男達が惚れるに違いない。
カノンさん…。カノン陛下とアリスはまだ話中のようだ。

「カノン様と呼んでよろしくて?」

「様も陛下も付けなくてよろしいですよ!

あ、あの、呼び捨てにしてくれると嬉しいです。」

カノンは恥じらいながら言った。

「わかりました。なら、私の事もアリスと呼んでください。」

「僕もカノンと呼ばせてもらうよ。ラオでいいから。」

「わかりました!!」

「それで本題なんだけど、

奴隷解放が先かなぁ?

それとも、商人達を罰するほうが先かしら?」

これは悩む。

できるだけ早く苦しい思いから開放させてあげたいし

これ以上被害を出させないようにするのが先か。

これは悩む。

するとカノンが

「悩んでる暇はございません!両方やるのです!

同時進行です!」

と言った。張り切ってるなぁ

「そうね…。

あ、風の噂ですけどね、奴隷商人にも身分があるそうよ?」

と、アリス

「ということはトップのやつがいるってことか?」

「その人を倒さなきゃ商人達を罰するのは難しいかもですね…。」
そうカノンが言った。

そうか、父さんが法律を変えないのはその人が原因なのかもしれない。

しばらく沈黙が続く。

するとアリスが

「今日はもう家に帰ろ。

ラオ?泊めてくれるよね!」

目をキラキラさせて言う。

「私はどこか宿を探します。」

宿はまだ決まってなかったのか?

「僕の家で良ければ泊めますが?」

すると、カノンの顔が急に明るくなり、

「本当ですか?!

それは嬉しいです!!」

と言った。