あれから6年たった。

今日が6月6日だ。

今すぐ神木の下に行きたい。

なのに、稽古事がまだある・・・。

まぁ、「カノン」という少女が本当に来ているという証明があるわけじゃないから期待しているわけじゃないし、リオンさんは何故6年後に妹がこの町の神木の下に来ると言い張ったのだろうかがいまだに謎だ。

「ラーオ!!何?考え事?ラオらしくないわね?」

僕だって考え事位するさ。

「アリス?!いつの間に入ってきたのさ!!」

「さっき来たのよ。見てよ!!あれ。抜け穴掘ってきたの!」

このちょっと変・・・いや、だいぶ変な奴は

アリス・ベルトン僕の幼馴染であり、

隣国の姫君である。あとは・・・僕の片思いの相手だ。

どうせ結婚なんてできない僕が王にならない限り駄目なんだ。

って、先生なんか寝てるし!

稽古時間過ぎたし

神木に行きますか!

「ちょーーーと待った!!」

アリスの声が耳元で鳴り響く。

「わ、私もいきたぃ・・・」

何があるのかも知らないくせに。

「駄目。どうしても僕一人で解決しないといけないんだ。

今度連れてってあげるよ。」

俯いてるアリスを置いて神木へ向かった