一番近くて一番遠い

「そーとー辛いみたいだぜ?
なんか必ずミスしちゃうって…
その度に怒鳴られるんだと。」

「あいつがミスするようには
思えないけど…」

「多分、本人はミスしないようにって
毎日気張ってるのが
逆に空回りしてんだと思う。
だから
俺がその気張りを取ってやってんの。」

「え?」

「毎日必ず電話するんだよ。
んで、一日の話を聞いて
第三者の意見を言ってやってる。
したら、最近怒られなくなったって
喜んでるよ。」

信は満足そうに笑った。

「信は本当に凛花が好きなんだな。」

八重も嬉しそうに笑った。

「お前は?恋してんの?」

信はタバコをもみ消した。

「いや…今は仕事で精一杯だから。」

「でも
毎日かわいいモデルに会うんだろ?
お前のルックスじゃ
声もかけられるだろ?
引き締まって
ますますいい男になってんじゃんか。」