一番近くて一番遠い

「恋?彼女でもできたか?」

「できた!」







「は?マジで言ってんの?」

八重は信の本音なのか冗談なのか
見極められずに困る。

「マジ。
とうとう凛を俺の女にしたよ。」

そう言って、信はタバコに火をつける。

「えっ!?
お前まだ凛花追っかけてたの!?」

八重は手を拭いたおしぼりを
テーブルに落とした。

「毎日メール送ってたんだけど
ずーっと無視され続けててさ。」

「はぁ…お前ほんっとよくやるな。」

「仕事の話聞いて欲しいって
つい最近連絡あって会ったんだよ。」

「あ、
それ俺と紗南が断ったからかな?」

「え?」

「いや、1ヶ月ほど前に俺に
仕事の相談したいってメールがきてさ。
忙しくて結局予定合わなくて。
したら次に紗南に連絡あったんだけど
あいつも忙しくてさ。」

八重はそこまで話すと
運ばれてきたビールをゴクゴクと
喉を鳴らして飲んだ。