一番近くて一番遠い


「早く自立したいの?」

「そりゃしてぇよ。
一人で飯食って行きたいし。
なにより…」

そこで八重は一度言葉を止めた。

「なにより?」






「紗南がびっくりするくらい
すげぇスタイリストになって
お前と肩を並べたい。」

そう言ってふっと紗南に笑いかけた。
その顔を見て紗南はまた顔を赤らめる。

「…っだから
その顔をすんなっつーの。」

八重もまたつられて頬を赤らめ
紗南の頭を押さえて
くいっと自分から目線を外させた。

「八重まで赤くなることないじゃん。
色んなモデルから声かけられて
慣れっこでしょ。
いい女ばっかりで
選り取り見取りじゃん。」

むすっとして
サンドイッチを頬張る紗南。





「なんだそれ。妬いてる?」

八重がふっと笑った。

「や…妬くわけないでしょっ!」

「もうだいぶ前に
女遊びは卒業したから。」






「そう…なの?」

紗南は八重を見上げた。