一番近くて一番遠い







人目を避けるように
コーヒーショップのサンドイッチを
公園のベンチで座って食べる。


平日の公園は人がまばらで静かだった。

「八重の言うとおり
マスクだけで十分バレないんだね。」

そう言いながら八重を見ると
なんだか八重が恐る恐るコーヒーを
口に運ぼうとしてまたやめて…と
変な行動をしていた。

「…なにしてるの?八重。」

「あ?この、ホットコーヒーの飲み口の
一口目ってすげえ怖くね?
この小さい飲み口から
熱いのでてくるじゃん。」

紗南はぷっと吹き出した。

「そんなの
蓋とって冷ませばいいじゃん。」

「あ…そっか。」

八重はそう言って蓋を取って
ふーふーと息を吹きかける。

「八重って昔からひどい猫舌だよね。」

「うるせー。」