一番近くて一番遠い







窓口でパスポートの申請を済ませ
紗南の方を見ると
紗南は待合室の角の椅子で
コクリコクリと居眠りをしていた。

八重はふっと笑って
起こさないように
隣に座って
少し休ませてやることにした。



紗南も毎日働き詰めで
疲れているのがよくわかる。

カバンから雑誌を取り出し
しばらくそれを読んでいた。



しばらくすると、紗南は
八重の肩にもたれかかって来た。

「無防備に寝やがって…
朝の警戒心はどこに行ったんだよ。」

八重はそう呟いた。






30分くらい経った時
紗南ははっと目を覚ました。

「少しは休めたか?」

八重の声を聞いて初めて
自分が八重に
もたれかかっていることに気づく。