一番近くて一番遠い

「ふふ。わかってたよ。
そう言われるの。」

「え?」

「ずっとわかってた。
でもはっきり好きって言いたかった。
そんではっきり振られたかった。
私は紗南とは違う。」

「紗南…?」

凛花はぶんぶんと首を振った。

「なんでもない。」

再び凛花を見ると
目にいっぱいの涙を溜めていた。

女のコに告白されて
それを振って泣かせた。
そんな経験を八重は初めてした。
どうしていいかわからなくて
そっと凛花の頭をぐっと
自分の胸に収めた。





「やぁちゃんの香り…
こうして嗅ぐのは最後だね。
もう、抱きついたりしないから。」

そう言って
凛花はぎゅっと八重に抱きついた。




「友達でいてくれる?」

凛花は顔をうずめたまま聞いた。

「お前がいいなら
俺はずっとお前の親友だよ。」

八重は優しく凛花の頭を撫でた。