一番近くて一番遠い

「八重くんの事好きなの。
アタシと付き合ってみない?」

八重は断る理由もなく
その先輩と付き合う事になった。

「アタシと付き合うんだから
紗南ちゃんと登下校しないでね。」

先輩に言われ
今まで紗南としていた登下校は
この日からなくなった。
それをきっかけに
紗南と八重の噂もなくなり
会話をする事も減った。




どこまで腐れ縁なのか、3年でも
八重と紗南はまた同じクラスになった。
さらには修学旅行のグループ決めで
まさかの同じグループ。

京都のお寺を巡るのだが
グループの子達がお土産を見始めて
八重と紗南はお土産屋の前のベンチに
座っていた。

「そういえば八重
あの先輩とまだ付き合ってるの?」

さりげなく探りを入れる紗南。

「いや、別れた。
高校で他に好きな男が出来たってさ。」

しれっと答える八重。

「え!?なにそれ、ひどくない!?」

きょとんとする紗南。

「そうか?
別にすっげぇ好きとか
だったわけじゃねーし。」

その言葉に紗南の表情が曇る。