一番近くて一番遠い

「紗南は八重のことどう思ってる?
素直に言ってね。
あたしに気を使ったりしないで。」

凛花にまっすぐ見つめられる。
凛花の澄んだ目に
心の中が見透かされるようだった。

「好きだったよずっと。
でも、高校の頃に諦めたの。」

蘇るあの頃の気持ち。

「気持ちを伝えずに?」

「うん。高校の時、モデルの男のコと
付き合ってるってデマを流して
それでも
八重がなにも言って来なかったら
諦めようと思って。
案の定、八重は私のこと
なんとも思ってなかった
みたいだから…」

「なにそれ。」

凛花の声は冷ややかだった。