一番近くて一番遠い

「SANA。」

ぼーっとしていたら健に呼ばれていた。

「あ、ごめん、なに?」

席を立って健の元へ向かう。
パソコンには
撮影されたSANAの姿が並ぶ。
どの写真を表紙にしてもいいくらいだ。

「やっぱり健さんてすごいね。
すごいいいショットばっかり。」

「俺ナメんな。」

ふっと笑う健。
その笑顔に心が弾むSANA。
眉を困ったように下げる笑顔は
健の特徴。
この笑顔がSANAは大好きだ。

「こんな感じだけどいいな?」

うんうん!とSANAは首を縦に振る。


「よし、撤収!お疲れ!」

スタッフに健が声を掛けると

「お疲れ様でーす!」

スタッフがそう言って
一斉に片付けを始める。

「お疲れ様。」

SANAに顔を向けて健が言うと
SANAはニコッと笑って

「ご飯いこ。」

そう言って健の袖を軽くつまんだ。

「そのおねだりの仕方
どこで覚えたんだよ?」

また眉を下げて笑う健。

「飯だけだぞ。」

そう言って
ポンポンとSANAの頭を撫でて
健も撤収作業に向かった。


撫でられた頭を押さえて

「子供扱いだもんなぁ…」

不満そうに健の後ろ姿を見つめた。