一番近くて一番遠い

「SANAさん入りまーす。」

スタッフに先導されて
スタジオに入るSANA。
今日は専属雑誌の表紙撮影。
カメラマンは健。
茶色い短髪に
うっすらと生やした口と顎のヒゲ。
ラフに着こなしたジャケットの下の
Vネックの首元がセクシーだ。

「健さんよろしくね。」

「ああ。よろしく。
風当てるからここでポージングして。」

そう言ってSANAの手を取り
スクリーンの前まで誘導する。

手を取られ、少しどきっとするSANA。
健の顔は真剣そのもの。
仕事のスイッチが入っているのを確認し
SANAも気持を切り替えて
すっと息を吸う。

カシャカシャと響くシャッター音。

「そう。いいね。
もう少し笑って。そう。綺麗だ。」

静かで、優しい声をかける健。
ファインダー越しに見るSANA。
コロコロと表情を変える。
最近はますます綺麗になったと
皆が口を揃えて言う。