バイトを終え
信と居酒屋で夕飯を済ませ
時刻はもうすぐ日付が変わる頃
八重は自宅の前にたどり着く。
ふと見ると
紗南の自宅前に
外車がハザードを灯して止まっている。
助手席から降りて来たのは紗南。
運転席の誰かと話をして
手を振って助手席を閉めると
外車はエンジン音を上げながら
去って行った。
外車が見えなくなる頃
紗南が振り返って
初めて八重の存在に気づく。
「あ、八重。おかえり。」
「あぁ…」
ぶっきらぼうに答える。
「今の…内緒ね。」
そう言って紗南は自分の口元に
人差し指を当てる。
「男?」
八重が聞くと軽くコクンと頷く。
興味ない。そういった表情で
八重は門に手を掛ける。
「八重。」
紗南の澄んだ声。
八重は立ち止まる。
「今度飲も!」
ちらっと紗南を見ると
笑顔で手を振っている。
「ああ。」
それだけ言って
八重は紗南に背を向けて
自分の部屋のベッドに座る。
なんとも言えないやり場のない
苛立ちを感じている。
「だっせぇ…」
八重はそう言って縛っていた髪をほどき
軽くぐしゃぐしゃと掻き乱しながら
苦笑いをする。
紗南の近況を
SNSやブログで知ることへの苛立ちも
テレビをつければ
1日1度は必ず目に入る事への苛立ちも
街を歩けば本屋や広告看板
電車に乗れば中吊りで必ず目に入る
苛立ちも…
全ては八重の恋心からのものだ。
信と居酒屋で夕飯を済ませ
時刻はもうすぐ日付が変わる頃
八重は自宅の前にたどり着く。
ふと見ると
紗南の自宅前に
外車がハザードを灯して止まっている。
助手席から降りて来たのは紗南。
運転席の誰かと話をして
手を振って助手席を閉めると
外車はエンジン音を上げながら
去って行った。
外車が見えなくなる頃
紗南が振り返って
初めて八重の存在に気づく。
「あ、八重。おかえり。」
「あぁ…」
ぶっきらぼうに答える。
「今の…内緒ね。」
そう言って紗南は自分の口元に
人差し指を当てる。
「男?」
八重が聞くと軽くコクンと頷く。
興味ない。そういった表情で
八重は門に手を掛ける。
「八重。」
紗南の澄んだ声。
八重は立ち止まる。
「今度飲も!」
ちらっと紗南を見ると
笑顔で手を振っている。
「ああ。」
それだけ言って
八重は紗南に背を向けて
自分の部屋のベッドに座る。
なんとも言えないやり場のない
苛立ちを感じている。
「だっせぇ…」
八重はそう言って縛っていた髪をほどき
軽くぐしゃぐしゃと掻き乱しながら
苦笑いをする。
紗南の近況を
SNSやブログで知ることへの苛立ちも
テレビをつければ
1日1度は必ず目に入る事への苛立ちも
街を歩けば本屋や広告看板
電車に乗れば中吊りで必ず目に入る
苛立ちも…
全ては八重の恋心からのものだ。

