「高校の頃ギャル男と
付き合ってたんじゃねぇの?」

「あ、あれ?あれはちょっとした賭けってゆーか…本気ではなかったよ。
まぁ、色々あったの。」

「賭け…?」

「あたしも
八重のこと言えないんだよね。」

そう言って苦笑いする紗南。

「あたしたちさ、大人になったね。」

ヘラヘラっと笑う紗南。
そう。お互いに大人になった。
2人の時間は中学から
止まったような気になるけれど
お互い、いろんな経験をして
大人になった。

紗南も八重も
一番近くでお互いを見てきた。
でも、今は2人の
知らない時間を経てここにいる。
すごく遠い距離にお互いを感じる。

だからなおさら
変わらないやりとりができたことに
紗南も八重も喜びを感じた。