一番近くて一番遠い



「浮かない顔してた癖に。」

歩きながらタバコをふかし
少し嫌味交じりで凛花に信は言った。

「だってあんないい子だと
思わなかったんだもん。」

「あの子だったら…
八重が好きでも納得かも。」

夜空を見上げながら
切なそうに凛花は言う。

「諦めるの?」

にやっと笑う信。

「あの二人が付き合うならね。
でも、そんな感じなかった。
特に紗南が。」

「確かに。
八重は元から感情読めないけど、
紗南ちゃんはただの幼馴染として
接してるって感じだったよな…」

そう言いながら
さりげなく凛の手を握ろうとする信。

ピシッ!!

「って!」

「どさくさに紛れて触んないでよ。」

「ツレねぇなぁ。凛ちゃんは…」


肩を落とす信。