一番近くて一番遠い

「メールもね、すっごい素っ気ないの!
なんかさ、業務連絡みたいなメールしか
来ないんだよ!?」

「俺が絵文字でハートとか使ったら
ドン引きすんだろーが。
今度送ってやろーか?」

「いいや、なんか呪われそうだから。」

「てめっ!」

中学の頃、一緒に登下校していた時まで
こんなやりとりを普通にしていた。
こうしてちゃんと向き合って話すのは
中学以来だ。

紗南も八重も
普通に話せるか心配だった。

だが、こうして話せば
昔のように意気投合して
何の心配もいらなかった。

八重は紗南が
モデルということを忘れるくらい
近くに感じた。

お互いに
変わっていないことに安心する。

「紗南ちゃんお肌綺麗だね!
化粧品高いの使ってるの?」

「紗南でいいよー。
あたしも凛花って呼ぶー。
そんなことないよ。フツーのやつ。
あ、ほらこれこれ。」

携帯で化粧品の画像を検索し
凛花に見せる紗南。
2人はすっかり意気投合して
女子トークに花を咲かせていた。